Go To どこか
どこか遠く、意味もない、知らない場所をひとりで歩く。
夜は深い霧の森の中、忘れられたコテージにたどり着く。
安堵とため息と、汗と霧とがわからなくなる無音でまどろむことでしょう。
波の音がやむことなく聞こえてくる、さみしい部屋で朝を迎える。
大事なものを忘れてしまったような、何かを残さなければいけないような。
太陽を遮るもののない、アスファルトの上を選んで歩く。
直上から叩きつけられる日差しがすべてを白く塗りつぶす。人も看板もどれも同じ。明るすぎて暗いも同じ。知っていても知らなくてもどっちも同じ。
帰路は電車にしましょう。
都会の駅の喧騒が、知らない人たちの見知った騒音が、そういえば日常なんだと僕を埋もれさせてくれる。それは僕を支えてくれる。